日焼け止めの重ね塗りの効果は?SPFやPAは足し算になるの?
「日焼けしたくないんだけど日焼け止めの重ね塗りって効果あるの?」
「SPF10とSPF30を足したらSPF40の効果になるの?」
「日焼け止めの重ね塗りのメリットとデメリットって何?」
なんてあなたは思っていませんか?
日焼け止めを使用するなら一度は気になるのは重ね塗りですよね。
でも案外重ね塗りのメリットや効果を知っている人は少ないんです。
「SPF50とSPF50を重ね塗りしたら絶対日焼けしないよね」ということも聞いたこともありました。
今回は日焼け止めの重ね塗りについて解説したいと思います。
目次
日焼け止めのSPFとPAの意味
特に夏には必要不可欠な日焼け止めですが、どのように選んでいますか?
ドラッグストアに足を運ぶと、数えきれない程の日焼け止めが並んでいますよね。
好きなメーカーが出しているものを使うなど、こだわりを持っている方もいると思いますが、ほとんどの方はなんとなくSPFとPAを見て選んでいる場合が多いのではないでしょうか。
日焼け止めに必ず記載されているSPFとPAですが、一体どんな意味があるのかご存知ですか?
それぞれ掘り下げて見ていきましょう。
SPFとは
SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、紫外線防御指数を表します。
肌が赤く炎症する日焼けの原因となる紫外線B波(UVB)を防ぐ力の目安となります。
数値が大きいほど、紫外線B波を防ぐ効果が高くなります。
今現在、日本ではSPF50+が最高値とされています。
SPFの数値単位は、SPF1で約25分間日焼けを防ぐことができます。
例えば、SPF50+なら、SPF50×25=1250分≒21時間となります。
絶対に日焼けをしたくないからSPF50のものを選んでいるという方も多いと思いますが、この数値を見てみるといかがですか?21時間も必要ですか?
その方のライフスタイルにもよりますが、通勤や近場への買い物程度であれば、SPF30程度のものでも十分です。
PAとは
PAとは「Protection Grade of UVA 」の略です。
こちらは紫外線A波(UVA)を防ぐ効果の度合いを現す指標です。
数年前まではPA+++が最高値でしたが、測定方法と表示方法の改定により、今現在はPA++++まで表記可能になりました。
+の数が多いほど、紫外線A波(UVA)を防ぐ効果が高くなります。
このUVAはとても怖いもので、肌の表皮までしか届かないUVBに比べ、UVAは肌の奥深くの真皮まで到達します。
真皮にはコラーゲンやエラスチンといった肌にハリ・弾力を与えるのに欠かせない細胞が多くあります。UVAがこれらを破壊することで肌のハリは失われてしまい、女性が恐れるシワ・たるみが出てきてしまいます。
日焼け止めを選ぶ際にSPFを重視する方も多いですが、美意識が高く、未来の肌を守りたい方は、PAをよく見て賢く日焼け止めを選びましょう!
日焼け止めと化粧下地など、塗る順番について
日焼け止めと化粧下地を同時に使おうとした時に、どちらを先に塗ればいいのだろう…と悩んだ経験はありませんか?
基本的には、先に日焼け止めを、その後に化粧下地をつけるようにしましょう。
イメージとしては、日焼け止めはスキンケアの1つ、化粧下地はメイクアイテムの1つと考えると覚えやすいですよ。
スキンケアからメイクまで一連の流れで見てみると、
化粧水
→美容液
→乳液
→日焼け止め
→化粧下地
→ファンデーション・コンシーラー
の順番がおすすめですよ。
⇒日焼け止めと化粧下地!塗る順番や化粧直しのポイントについて
日焼け止めとUVカット効果がある化粧下地の重ね塗りは効果ある?
どうせつけるなら、紫外線防止効果を最大限まで高めたいという方もいると思います。
そこで気になるのが、日焼け止めとUVカット効果のある化粧下地の重ね塗りがもたらす効果ですよね。
例えば、日焼け止めの紫外線防止効果がSPF50+、PA++++のものと、化粧下地はSPF30、PA+++のものを一緒に使うとします。
すると、紫外線防止効果はトータル的にSPF50+、PA++++になります。
一方、日焼け止めの紫外線防止効果がSPF50+、PA++++のものと、化粧下地もSPF50+、PA++++のものを一緒に使うとします。
こちらも、先ほどのものと同様に紫外線防止効果をトータルで見てみるとSPF50+、PA++++になります。
つまり、SPF、PAともに紫外線防止効果が最高値のものを使うと、いくら他のアイテムでSPF、PAが入ったものを使っても影響しないということです。
先ほどの例でいうと、SPFが80+、PA+++++++になることはありません。
もし、今現在使っている化粧下地のSPF、PAの数値が控えめであれば、日焼け止めの力を借りるために重ね塗りすることが効果的といえます。
また、化粧下地には「ベースメイクを崩れにくくする、モチをよくする」という日焼け止めには望めない効果も期待できるので、特に夏はくまなくしっかりとつけるようにしましょう。
日焼け止めと他の種類の日焼け止めの重ね塗りは効果あり?
美白・美肌を意識する女性にとって、紫外線は大敵ですよね。
できることならば1日中、日焼け止めの効果を持続させたいというのが美意識の高い女性の願いだと思います。
では、朝出かける前につけた日焼け止めにプラスして、他の種類の日焼け止めを重ねてつけることは効果的なのでしょうか。
身体に日焼け止めを重ね塗りする分には全く問題ありませんが、ここで考えなければならないのが顔への重ね塗りですよね。
大人の女性はほぼ全員と言っていいほどメイクをしています。
ベースメイクやポイントメイクの上に再び朝と同じ日焼け止めをたっぷりとつけることができればいいのですが、そうはいかないですよね。
そこで活躍してくれるのがスプレータイプの日焼け止めです。
朝は乳液状の日焼け止めを使い、お直し兼重ね付けとしてスプレータイプをメイクの上から使うことで、紫外線防止効果が復活します。
いくらSPF、PAともに最高値のものを使っていても、摩擦などでその効果は時間とともにどうしても衰えてきてしまいます。
日焼け止めの種類を変えて併用してあげることで、より高い防止効果を得られますよ。
日焼け止めの紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の重ね塗りは効果あり?
みなさんは、紫外線吸収剤と紫外線散乱という言葉を聞いたことがありますか?
少し専門的なものになるので、よくわからないという方も多いと思いますが、これは日焼け止めの中に入っている、UVケアアイテムを処方する上で最も大切な原料の1つです。
まずは紫外線吸収剤ですが、ケイヒ酸系、トリアジン系などの化学物質が紫外線のエネルギーを肌に取り込み、熱などの別のエネルギーに変換します。
肌に塗ったときに白浮き・きしみがないのが特徴です。普段使いにも最適です。
しかし、1度肌に紫外線のエネルギーを取り込むため、敏感肌の方は肌に合わず、炎症などを起こす可能性もあります。
自分の肌タイプや状態によって使用するか決める必要があります。
紫外線散乱剤は、酸化チタンや酸化亜鉛が物理的に紫外線を跳ね返してくれます。
UVA・UABともに幅広く散乱することができます。肌に入り込まないので、肌がデリケートな方、敏感肌の方も使いやすいのが特徴です。
ただし、肌に塗ったときに白浮きしてしまうことがあります。
現在はかなり微粒子のものを配合できるようになったので、以前よりは白くなりにくくなりましたが、肌を保湿してからムラなくしっかりと伸ばすなどの工夫が必要です。
「この日焼け止めは紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらが配合されているんだろう?」と疑問に思った方は、成分表示を見てみるとわかりますよ。
では、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、それぞれが含まれた日焼け止めを重ね塗りするとどうなるのでしょうか。
一般的に、紫外線吸収剤の方が、紫外線散乱剤よりも紫外線防止効果が高いと言われています。
肌に負担をかけずに毎日使うことを考えると紫外線散乱剤の日焼け止めがおすすめですが、海や屋外プール、アウトドアなど1日中外にいる日には紫外線散乱剤の日焼け止めと紫外線吸収剤の日焼け止めを併用するのもいいと思います。
しかし、頻繁に併用しすぎると少なからず肌へ負担がかかってしまうので、絶対に焼けたくないここぞというときに使うようにしましょう。
2つを併用する時の塗り方ですが、できるだけ肌に負担をかけないようにするために、先に紫外線吸収剤の日焼け止めを、その上に紫外線散乱剤の日焼け止めを重ねることをおすすめします。
紫外線吸収の日焼け止めの方が肌になじみやすいということもありますが、紫外線散乱剤の方を上にすることによって、紫外線を最大限跳ね返すことができ、肌に吸収されるのを防ぐことができます。
塗りムラがあっても、下に紫外線吸収剤の日焼け止めで肌をガードしているため、安心です。
考え方としては、紫外線散乱剤の力を優先して活かして、紫外線を極力肌に入れないようにし、あくまでサポートとして紫外線吸収剤を利用するというものです。
特に敏感肌の方は、この使い方で日焼けを乗り切ってくださいね。
⇒紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いは?特徴やメリット、デメリットを解説
日焼け止めを重ね塗りする場合のデメリット
じりじりと照らしつける太陽の下で、日焼け止めの重ね塗りは必要なものですが、気になるのは肌への影響ですよね。
基本的に肌に合ったものを重ね塗りし、その日のうちに十分に洗い流せば問題ありません。
しかし、紫外線防止効果が高い色んな種類の日焼け止めを、1日のうちに何度も重ね塗りするのはあまりおすすめできません。
先につけた日焼け止めの成分と新たに上からつけた日焼け止めの成分がかみ合わず、ケンカして肌が荒れてしまうことがあります。
何が何でも日焼けしたくない!という気持ちはわかりますが、重ね塗りする場合は基本的に1種類に絞って使うようにしましょう。
日焼け止めを重ね塗りする場合のメリット
一方、日焼け止めを重ね塗りすることで得られるメリットもあります。
日焼け止めをつけた時に、少なからず「塗りムラ」というのが発生します。
この塗りムラがあると、まだらに焼けてしまったり思わぬところにシミができてしまいます。
せっかく日焼け止めをつけているのに、それでは努力が水の泡ですよね。
そうならないために、重ね塗りしてあげることが効果的です。
はじめに塗った日焼け止めの上に重ねてつけることで、1度で塗り切れなかったところまでつけることができます。
時間を置かずにすぐに2度塗りしてもいいですし、2時間など日焼け止めが服の摩擦によって落ちてきたと感じた時に塗るのもおすすめです。
「日焼け止めをつけてたのに日焼けしてしまった…」と後悔する前に、重ね塗りで徹底的にUVカットしましょう!
重ね塗りがめんどくさい人には飲む日焼け止めがおすすめ
「重ね塗りをするとうっかり日焼けを防げる可能性が高い」といっても重ね塗りや塗り直しをするのってめんどくさいですよね。
そういう女性におすすめなのが飲む日焼け止めサプリになります。
飲む日焼け止めは紫外線を内側からブロックしてくれます。
私は飲む日焼け止めを飲みつつ日焼け止めも塗っていますが内側と外側から紫外線をブロックできるんですね。
重ね塗りや塗り直しがめんどくさいという人は飲む日焼け止めを飲んでおくだけで日焼けする可能性が低くなるので便利ですね。
詳しくはこちらの記事で解説していますので「飲む日焼け止めって何?」という人も是非ご覧ください。
⇒飲む日焼け止めについて詳しく見てみる
さいごに
今回は日焼け止めの重ね塗りの効果についてお話しました。
夏に限らず1年中紫外線が降り注ぐ中で、日焼け止めは手放せませんよね。
毎日肌に負担なく、うまく付き合っていくためにも日焼け止めの成分、そして重ね塗りについて少しでも参考になりましたら嬉しいです。
日焼け止めの効果を最大限に活かして、美白・美肌をキープしていきましょう!